長野
画狂人・葛飾北斎の色褪せない魅力に触れる ~北斎館・おぶせオープンガーデン~
栗の名産地として知られている小布施町は、日本を代表する浮世絵師・葛飾北斎が80歳を超えてから訪れ作画に没頭した地。国内に2館ある北斎を専門にする美術館のひとつが北斎館で、晩年の作品を中心に鑑賞することができる。『富嶽三十六景』に代表される浮世絵だけではなく、肉筆画、掛け軸、屏風なども手掛け、貴重な一点ものをここでは数多く所蔵・展示。見どころのひとつが、長野県宝に指定されている2基の祭屋台だ。上町祭屋台の『男浪』と『女浪』、東町祭屋台の『龍』と『鳳凰』、4枚の天井絵は見る者を圧倒する迫力がある。北斎が活躍した江戸時代に思いを馳せて眺めてみてはいかがだろうか。
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北斎館と合わせて楽しみたいのが、官民一体となって取り組む「おぶせオープンガーデン」。イングリッシュガーデンや日本庭園など、個人の庭を一般の人に公開する活動で、100軒以上の個人宅が参加している。競ったり見比べるのではなく、草花でもてなしそこで出会う人との交流を楽しむことを目的としている。
散歩気分で桜を愛でアートを楽しむ休日 ~城山公園・長野県立美術館~
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1400年の歴史を誇る善光寺は、「遠くとも一度は参れ善光寺」と、江戸時代から伝え継がれている名刹。一生で一度お参りをすれば極楽往生が叶うとされ、長野を訪れたならばぜひとも詣でたいスポットだ。参拝と合わせて立ち寄ってほしいのが、長野市で一番古い公園の「城山公園」。桜の名所として人気で、ぼんぼりの明かりで夜桜見物も楽しめる。さらに欲張るなら、入園無料の「長野市城山動物園」もセットで訪れたい。
また公園の敷地内には、2021年4月に「長野県立美術館」が新築オープンした。信州の自然と調和した景観をコンセプトにした「ランドスケープ・ミュージアム」で、善光寺本堂を望む、屋上広場(風テラス)からの眺望も見事。企画展開催のほか、館内には無料ゾーンも多く、公園のように自由に利用ができる開かれた美術館だ。
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*このページはOne Harmony会員誌 和らぎ 第41号より引用しています。